退職代行で残業代・有給は請求できる?弁護士型と労組型の権限差【2026年版】

「退職代行を使うと残業代や有給はちゃんと取り戻せるのか?」「弁護士型と労組型でできることはどう違うのか?」

結論から言うと、残業代・退職金・慰謝料の金銭請求まで踏み込めるのは「弁護士運営型」だけ。労働組合運営型は団体交渉として有給消化や退職条件の交渉ができますが、訴訟対応や判決に基づく強制執行は不可。一般業者型は弁護士法72条で金銭交渉自体ができません(e-Gov 弁護士法第72条)。

本記事では、退職代行で「残業代/有給/退職金」をいくらまで取り戻せるのか、運営主体別の権限差、料金以上のリターンが出る判定基準を、辞めたい研究所がまとめました。

この記事でわかること

  • 残業代・有給・退職金の請求可否を運営主体別に整理
  • 残業代請求の時効3年・遡及範囲のルール
  • 弁護士型/労組型/一般業者型の料金vsリターン比較
  • 請求成功率を上げる証拠保全7つのポイント
  • 料金以上のリターンが出る判定基準(残業代月20時間以上が目安)

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結論:請求できる金銭は運営主体で違う【一覧表】

請求項目 弁護士運営型 労組運営型 一般業者型
未払い残業代 ○ 訴訟まで対応 △ 任意交渉のみ × 弁護士法違反
有給消化 ○ 団体交渉権 × 伝達のみ
退職金(規程内) ×
退職金(上乗せ) × ×
パワハラ慰謝料 × ×
会社都合退職への切替 ×
料金目安 5〜10万円+成功報酬 2.5〜3万円 2〜3万円

「料金が安いから一般業者でいい」と判断すると、未払い残業代100万円のチャンスを失うケースもあり得ます。請求項目の有無で運営主体を選ぶのが基本動作です。

残業代請求のルール【時効3年・遡及範囲】

時効:2020年4月以降の賃金は3年

労働基準法115条の改正により、2020年4月1日以降に発生した賃金請求権の消滅時効は3年に延長されました(旧2年)。今日から起算して3年前までの未払い残業代を遡って請求可能です(厚生労働省 賃金等請求権の消滅時効)。

計算式:基礎賃金×割増率×時間数

区分 割増率 適用条件
法定時間外 1.25倍 1日8時間/週40時間超過分
法定休日労働 1.35倍 週1の法定休日勤務
深夜労働(加算) 1.25倍上乗せ 22時〜5時勤務
月60時間超 1.5倍 2023年4月から中小も適用

2023年4月から中小企業にも「月60時間超は1.5倍」のルールが拡大適用されました(厚生労働省 月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率)。月100時間残業のケースでは想像以上の金額になります。

残業代いくら戻る?シミュレーション【月収別】

月収(基本給) 月残業時間 月の未払い額目安 3年遡及で総額
25万円 20時間 約3.9万円 約140万円
30万円 40時間 約9.4万円 約338万円
30万円 60時間 約14.1万円 約507万円
40万円 40時間 約12.5万円 約450万円
40万円 80時間 約27.5万円 約990万円

※基礎賃金=月収÷月平均所定労働時間(160時間想定)×割増率×残業時間で概算。実際は手当・深夜割増・60時間超の上乗せで変動します。

有給消化のルール【労基法39条】

時季変更権の範囲

労働基準法39条で会社は時季変更権を持ちますが、退職前の最終出社日以降に時季変更権を行使する余地は実質的にゼロ。退職日以降は勤務関係が消滅しており、変更先の出勤日が存在しないためです(厚生労働省 年次有給休暇)。

有給残日数の確認

勤続年数 付与日数(フルタイム) 退職時に残っていれば
0.5年 10日 10日まで全消化可
1.5年 11日 前年度繰越分含めて消化可
2.5年 12日 同上
3.5年 14日 同上
4.5年 16日 同上
5.5年 18日 同上
6.5年以上 20日 同上

有給は2年で時効のため、繰越含めて最大40日(前年度20日+当年度20日)まで保有可能。月給30万円の人が30日有給消化すれば、退職前の30万円相当が支給されます。

運営主体別「料金vsリターン」比較

弁護士運営型【料金:5〜10万円+成功報酬20〜30%】

項目 内容
料金体系 着手金5〜10万円+成功報酬(回収額の20〜30%)
残業代回収例 100万円回収→25万円報酬→手取り75万円
適合ケース 残業代月20時間以上/パワハラあり/退職金不払い
強み 訴訟対応・強制執行・労基署申告まで一気通貫

労組運営型【料金:2.5〜3万円】

項目 内容
料金体系 定額2.5〜3万円
有給交渉 団体交渉権で原則消化を実現
残業代 任意交渉のみ/会社が拒否したら訴訟は弁護士へ移管
適合ケース 残業代少額/有給消化+即日退職が主目的

一般業者型【料金:2〜3万円】

項目 内容
料金体系 定額2〜3万円
金銭交渉 不可(弁護士法72条)
適合ケース 金銭請求なく退職意思の伝達のみで足りるケース
注意 会社が交渉を持ちかけても受けられず、結局弁護士に切替も

請求成功率を上げる証拠保全7つのポイント

  1. タイムカード/勤怠管理システムのスクリーンショットを毎月末に保存
  2. 業務メールの送受信時刻(22時以降の送信記録は深夜労働の証拠)
  3. PCのログイン/ログオフ履歴をエクスポートしておく
  4. SlackやTeamsの夜間投稿履歴(業務時間外の指示は労働時間性の根拠)
  5. 交通系ICカードの履歴(出退勤時刻の客観証拠)
  6. 給与明細を3年分保管(基礎賃金算定の必須資料)
  7. パワハラの録音/メール(慰謝料請求時の動かぬ証拠)

退職を決めた瞬間から証拠保全を始めるのが鉄則。退職後は会社側システムにアクセスできなくなるため、在職中にスクリーンショットや個人メールへの転送が必要です。

料金以上のリターンが出る判定基準

判定軸 YESなら弁護士型 NOなら労組型
月平均残業20時間以上 ○ 残業代100万円以上見込み 労組型で十分
パワハラの録音/メール証拠 ○ 慰謝料20〜100万円 労組型は対応外
退職金規程あり+未支給懸念 ○ 数十万〜数百万 労組でも交渉可
有給20日以上残存 労組型でOK ○ 月給1か月分相当
会社の引き止めが激しい ○ 訴訟匂わせで沈静化 労組の団体交渉でも可

残業代月20時間以上+3年遡及で100万円以上の回収見込みがあれば、5〜10万円の弁護士費用は容易にペイします。

退職代行に金銭請求を依頼する流れ

  1. 退職代行と無料LINE相談(金銭請求の希望と証拠の有無を伝達)
  2. 弁護士運営型なら委任契約締結(着手金支払い)
  3. 退職代行が会社に通告(退職/有給/本人連絡禁止)
  4. 退職完了後、未払い残業代の請求書送付
  5. 会社と任意交渉(1〜3か月)
  6. 不調なら労働審判/訴訟へ移行(6〜12か月)
  7. 和解または判決確定後、支払いを受け成功報酬を控除

労基署・労働局を併用するのが効果的

退職妨害+パワハラ+賃金未払いの三点セットの場合、労働基準監督署への申告と労働局への助言・あっせん申請を併用するのが効果的(厚生労働省 個別労働関係紛争解決制度)。退職代行(弁護士運営型)と並行して動くことで、会社側の抵抗が一気に弱まる傾向があります。

よくある質問

Q. 退職代行で未払い残業代は請求できますか?

弁護士運営型なら可能です。労働組合運営型は団体交渉として要求できますが、訴訟対応は不可。一般業者型は弁護士法72条で金銭交渉自体ができません。月20時間以上の残業がある場合は弁護士運営型を選ぶのが合理的です。

Q. 有給消化を会社が拒否したらどうなりますか?

労働基準法39条で付与された有給休暇は、退職前であれば実質的に時季変更権の余地がなく全消化可能です。労組運営型・弁護士運営型なら交渉力をもって原則消化を実現できます。

Q. 残業代の時効は何年ですか?

労働基準法の改正により、2020年4月以降に発生した賃金請求権の消滅時効は3年に延長されています。3年前まで遡って請求可能なため、タイムカードやメール送信履歴の証拠保全が重要です。

Q. 退職金は退職代行で交渉できますか?

退職金規程がある会社の規程内退職金は、労組運営型・弁護士運営型ともに交渉対応可能です。規程外の上乗せ請求は弁護士運営型でも難しいケースが多くなります。

Q. 残業代請求の成功報酬の相場は?

弁護士運営型で回収額の20〜30%が一般的です。着手金が別途必要なケースもあり、回収できなかった場合の費用も事前確認が必須です。

Q. 労働組合型でも残業代は取り戻せますか?

団体交渉として要求は可能ですが、会社が任意で支払わない場合の訴訟提起はできません。少額で会社が抵抗しないケースなら有効ですが、月40時間超の残業代回収を狙うなら弁護士運営型が確実です。

Q. 退職代行に依頼してから残業代回収まで何日かかりますか?

弁護士運営型の場合、和解で1〜3か月、訴訟まで進めば6〜12か月が目安です。任意交渉だけでまとまる例では1〜2か月の即時回収もあります。

まとめ

  • 残業代・退職金など金銭請求を訴訟まで含めて対応できるのは弁護士運営型のみ
  • 労働組合運営型は団体交渉権で有給消化/退職条件交渉が可、ただし訴訟は不可
  • 一般業者型は弁護士法72条により金銭交渉自体ができず、伝達のみ
  • 残業代の時効は3年、月20時間残業×3年で100万円超のケース多数
  • 有給は労基法39条で時季変更権の範囲を超えて消化可、最大40日まで保有可能
  • 料金より「リターンの最大化」で運営主体を選ぶのが合理的
  • 在職中の証拠保全7点(勤怠/メール/ICカード等)が請求成功率を左右する


記事の信頼性について
本記事は辞めたい研究所編集部が、e-Gov法令検索(労働基準法・弁護士法・民法)、厚生労働省(年次有給休暇/賃金請求権の消滅時効/月60時間超の割増賃金率/個別労働関係紛争解決制度)、主要退職代行サービスの公開料金表を統合してまとめた研究レポートです(最終更新:2026年5月12日)。

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